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四頭筋肉離れ(私なりの知見も添えて)
大腿四頭筋(太ももの前)の肉離れの発生頻度は、全身の筋では3番目に多いとされています。私の臨床経験の感覚としては、本当に3番目かな?という印象です。スポーツ現場、整形外科やスポーツに特化した整骨院に勤めていましたが、数は多くありません。というよりも、1番目、2番目の、ハムストリングス(太ももの後ろ)と下腿三頭筋の肉離れがほとんどと言っていいでしょう。
大腿四頭筋は4つの筋肉で構成されています。大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋です。この中で肉離れを起こしやすい筋肉は大腿直筋です。肉離れの発症には競技特性が大きく関与していますが、なかでもこの大腿四頭筋の肉離れは特に競技特性が反映しています。教科書では様々な競技で発症すると記載はありますが、サッカー、陸上短距離、この2競技がほとんどだと思います。サッカーではキック動作、陸上ではクラウチングスタートやハードルで発症が多いです。ただ、年齢にも影響されますが、大腿四頭筋の肉離れと、下前腸骨棘裂離骨折の紙一重の関係です。下前腸骨棘裂離に関しては、またの機会にお話しします。
受傷機転
最も多い受傷機転は、股関節伸展位(股関節が体幹の後ろに位置)で、膝関節が屈曲位です。走っている最中に後方に蹴りだした脚を前方に振り上げる切り返しの時や、ボールを強く蹴ろうとした際に受傷します。他に危険因子として、筋疲労や、柔軟性の低下、コンディション不良(疲れが溜まっている)ことが挙げられます。私的には、疲れが溜まっている際に最も良く発生していると感じます。
診断
整骨院で診断という言葉を使用することはできない為に、病態把握とします。四頭筋の肉離れの病態把握は比較的簡便です。問診で選手の感じたことをそのまま話してもらえれば、ほぼ想定できます。あとは圧痛がどこにあるのか。これで絞ることができます。ただ、Ⅰ度損傷で痛みが少ないのであれば、大腿四頭筋のタイトネステストを行えば良いと思います。(個人的にはあまりしないほうがいいと思っています)
画像診断にも触れておきましょう。簡便で有用性があるのは、超音波画像診断です。血種の確認が容易にできます。他にもMRI画像でも診断は可能です。(これは費用が掛かりますし、厚生労働省も肉離れで医療費を使ってほしくないとうのが本音でしょう。この話題に関しては今後詳述します)
整骨院 sports college での治療
初期治療はRICE処置【ライス処置: Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字から成る言葉】が基本となりますが、私が最も重要視しているのは、アイシングと圧迫です。それもしつこくアイシングします。アイシングは炎症を、圧迫は腫れを抑えることが目的です。これはⅠ、Ⅱ、Ⅲ度損傷でも同じです。そして必要に応じてテーピングをします。
痛みが少なくなってきたら、リハビリの段階です。整骨院 sports college では温熱療法は一切行いません、温めても身体に良い反応は何一つ生まれないからです。血行が良くなり組織の伸張性が良くなるなど言われていますが、温めることで伸張性は改善されません。そもそも部分的に温めて血行がよくなるのか甚だ疑問です。治療に温熱療法は非常に古いです。
基本は患者様の痛みを聞きながら、等尺性収縮、OKC(足の裏が地面についていない運動)からCKC(足の裏が地面についている状態)でのエクササイズに段階的に進めていきます。ランニング開始時期の目安は、階段の下りが問題なくできるかで判断するのが最も簡単だろう思います。私はそのまえに軽いスクワットジャンプを取り入れています。
競技復帰時期の目安は、Ⅰ度損傷で2週間、Ⅱ度損傷で4~6週間といわれていますが、あくまで目安でしかありません。復帰の目安は痛みの軽減時期と柔軟性が健側(怪我をしていない方)と比較し十二分に回復しているか、敏捷性がもとの水準に達しているかで判断してます。それに加えて私なりの指標は有酸素能力の回復は必須だと考えています。
上述している通り、受傷の理由として多いのは、筋疲労が溜まっている時だと考えているからです。肉離れで最も気を付けなければならないことは再断裂です。これを防ぐためには、有酸素能力の回復なしには復帰できないと考えます。
整骨院 sports college では実際にそういった指標を考慮し復帰への道筋を立てていきますので安心してお任せください。
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